【まとめ】2020年7月に読んだ本

2020年7月に読んだ本のまとめです。ここにあげているのは、正確にいうと「7月に買って読んだ」本です。ブログ記事としては、以前読んだ本を再読して書いているものもあります。買って読んだけどブログ記事にしていないものもあります。

ということで今月は14冊でした。ノンフィクションが11冊、小説が3冊。

この中でも特におもしろかったのが、飲茶さんの『史上最強の哲学入門』。西洋編と東洋編があります。どちらもめっちゃおもしろいのですが、東洋編が最高におもしろくてわかりやすいです。Kindleで買って読んだのですが、子供にも読んでほしくて紙の本も買いました。

あと、今月は『三体Ⅱ』を読めたのが良かったです。では、それぞれを簡単に紹介していきます。

目次

『まどわされない思考』デヴィッド・ロバート・グライムス

嘘や陰謀論に惑わされてしまうのはなぜか。その心理状態を、さまざまなパターンをあげて解説してくれています。今の社会状況も、いろんな情報が入ってきやすいけれど、それに振り回されないためにはどうすればいいか、考える助けになる一冊だと思います。

『史上最強の哲学入門』飲茶

西洋哲学編です。31人の哲学者を時代ごと、テーマごとに紹介している本です。哲学というと難しそうですが、この本のコンセプトは「バキ」なので、めっちゃ熱くておもしろいです。

『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』飲茶

こちらは東洋哲学編。私はどちらかというとこっちの方が好きです。どちらか1冊という人にはこっちを読んでほしい。「東洋哲学はピラミッド」という指摘が目からうろこでした。西洋哲学と東洋哲学の根本的な違いがよくわかりました。

『悪いヤツらは何を考えているのか』桐生正幸

犯罪はどのような状況で起こるのか、凶悪犯罪を犯す人の心理はどのようなものか。実例もたくさんあってちょっと怖いですが、かわいいイラストが中和してくれています。

『天才の考え方 藤井聡太とは何者か?』加藤一二三 渡辺明

史上最年少で棋聖となった渡辺聡太さんについての対談も収録されている、二人の天才棋士が将棋について語った本です。タイトルからすると、藤井聡太さんについての対談本なのかと思いきや、対談部分は真ん中の一部分だけ、そのたは加藤さん、渡辺さんそれぞれが書かれている本なのでちょっと要注意です。

『書店猫ハムレットの跳躍』アリ・ブランドン

猫が主役の小説を探していて見つけた本です。書店に住む猫。それだけでもう素敵。新しいアルバイトを雇うとき、この猫も面接したりして(たいていはシャーって言って却下される)猫好きにはたまりません。シリーズ化していて、他にも何冊かあるみたいなので、少しずつ読んでみたいです。

『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』M・グラッドウェル

人間は他人をまず信用する、というところから始める。他人を理解することがいかに難しいか。世の中の悲しい事件の根底にある人間心理について理解が深まる一冊でした。

『エピデミック』川端裕人

未知のウイルス感染症のエピデミックとたたかう疫学者たちを描いた小説です。2007年に書かれたとは思えないほど、今の時代にマッチしています。今この時代にぜひ読んでもらいたい一冊です。

『ファシズムの教室』田野大輔

甲南大学で毎年行われている、ファシズムを体験する授業。みんなで同じ制服を着て、大きな声で同じ言葉を叫び、気に入らない相手を取り囲んで大声を出して撃退する。想像するだけだと、そんなこと本気でやらないだろう、と思うけど、実際やってみると、達成感を感じたり、自分で善悪を考えなくていい楽さがあった。大学生という多感な時期に擬似的にでもそんな体験ができるのは大きいんだろうなと感じました。

『三体Ⅱ黒暗森林(上・下)』劉慈欣

大物だったので、タイミングを待っていましたが(自分の体調や時間的なコンデションの)、やっと読めました。読み始めたら一気読み。さすがです。第1巻よりもさらにスケールが大きくなっていて、映画っぽい。第3巻の日本語訳も楽しみです。

『生活保護 vs 子どもの貧困』大山典宏

生活保護に対する世の中の反応がこれまでどう変化してきたか、それに加えて、早急に対応すべき問題である、子どもの貧困について。何が問題か、どう考えていけばいいか、まで、現場の専門家の立場からわかりやすく書かれていました。

『LGBTとハラスメント』神谷悠一 松岡宗嗣

LGBTに対する職場での嫌がらせをパワハラと認定する法律ができました。帯にあるように、うちの職場にはLGBTはいない、というのはただ事実を正しく認識できていないだけ。当事者の立場から、よくある勘違いについて多くの例をあげてわかりやすく説明されています。SOGIハラ、アウティングについても詳しく説明されていて勉強になりました。

『フリー』クリス・アンダーソン

ブログ、YouTubeなど、無料でいろんな情報が手に入るインターネット時代。無料コンテンツがどのように収益を生むのか。フリー時代に乗り遅れないための処方箋。10年くらい前の本ですが、今読んでも得られるものは大きいと思いました。

『相模原事件・裁判傍聴記』雨宮処凛

障害者施設で19人の入所者を殺した衝撃的な事件。犯人は、誰でも良かったのではなく、明確な目的意識を持ってこの残酷な事件を起こしました。なぜこのような思想を持つ人間が生まれたのか。被告が言っている主張は完全に間違っているし、絶対に理解できない。でも、それを否定しようとすると、「高齢者にお金を使いすぎだ」「生活保護はずるい」という世の中の意見や、障害者に本人の同意なく不妊手術をしたという事実などが出てきて、被告の主張と本質はそう変わらないのでは?という思いがどうしても拭えない。いろいろな意味で読むのがとてもキツかったけれど、読まなくてはいけないと思った一冊でした。

まとめ

2020年7月も、おもしろい本をたくさん読めました。来月は、今読み始めた塩野七生さんの『ギリシア人の物語』全3巻を読みたいなと思っています。そこからさらに『ローマ人の物語』文庫版全43巻を再読しようかという壮大な計画を考え中です。それやると8月はギリシア・ローマで終わってしまいそうですが。

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