2020年6月に読んだ本のまとめです。
3月の自粛生活開始以降、大きな本屋さんに行けなくなったこともあり、本は全てKindleで買って読んでいました。
もともとは、紙の本も電子書籍もどっちもこだわりなく読んでいましたが、2月に思い立って家の中の不用品を一斉に処分して、本も200冊くらいは手放しました。それからは紙の本は(子供の本以外)買わずKindle専門です。
Kindleだといつ何を買ったか、履歴がすぐに正確に分かっていいですね。
『ワイルドサイドをほっつき歩け』ブレイディみかこ
『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者、ブレイディみかこさんが、身の回りにいる愛すべきおっさんたちについて書いた本。イギリスの階級社会に暮らす労働者のおじさんたちの、いけてないけど一生懸命な姿。それをちょっと茶化しながらも温かく見つめるみかこさんの優しさを感じる1冊でした。
『路(ルウ)』吉田修一
台湾に日本の新幹線を走らせるために奔走する、日本の商社員たちをめぐる、国を超えた熱い想い。大きなプロジェクトとともに、それぞれの個人的なストーリーも素敵で感動しました。NHKで日台共同でドラマ化されたそうです。(見れなかったけど)
『性転師』伊藤元輝
性同一性障害(性別不合)に対するタイでの性別適合手術を斡旋する業者についてのルポです。なぜ彼らのような業者が生まれたのか、から始まって、性別不合に対する認知の変遷、性別適合手術の実際と、現在の問題点まで、かなり掘り下げて書かれていて勉強になりました。
『ハマりたがる脳』トム・ヴァンダービルト
私たちの「好み」はどう決まるのか?脳科学の立場から、さまざまな実験を通して人の好みが決まる仕組みを探求した一冊です。自分が好きだな、と感じるものについて、言葉で表してみると何か分かるかもしれません。この書評ブログで私もそれをやっているのかな、と思いました。
『中国、科学技術覇権への野望』倉澤治雄
米中の科学技術冷戦状態が続いています。宇宙開発、原子力開発、デジタル技術、大学での研究、ファーウェイ問題などさまざまな観点からその実態に迫ります。日本は完全に置いていかれてる感。
『謎のアジア納豆』高野秀行
納豆は日本独自のものかと思っていたら、タイ、ミャンマーなど東南アジア各国にもあった!日本でいろんな葉っぱを容器にして納豆を作ってみたり、納豆は辺境民族の食べ物だという仮説を打ち立てたり、ひたすら納豆について粘っこく語った一冊です。
『羊と鋼の森』宮下奈都
ピアノ調律師の主人公と、尊敬する恩師、ピアノを愛する姉妹と先輩たち。静かな中に音楽への熱意も感じるいい小説でした。山崎賢人さん主演の映画もよかったです。第13回本屋大賞受賞作品。
『絶望を希望に変える経済学』アビジット・V・バナジー、エステル・デュフロ
2019年ノーベル経済学賞受賞の経済学者が、世界をよくするための「いい経済学」について語った本です。移民問題や格差問題について、とてもわかりやすく書かれています。わりと長めですが、一気に読みました。あと、やっぱり何回見ても表紙が好きですね。
『RANGE』デイビッド・エプスタイン
早期に専門特化するよりも、幅広く経験した中から将来の専門分野を決める方が、これからの世の中で役立つ人間となる。早期専門特化した訓練が効果的なのは、ルールが明確で迅速かつ正確なフィードバックが得られる「親切な学習環境」においてのみ。それに対して現実社会は、状況が刻一刻変わり、予測不能な出来事が起こる「不親切な学習環境」です。そこでは「レンジ(幅)」のある人の方が成功しやすい、という主張です。目からウロコでした。
『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』ターリ・シャーロット
いくら科学的な事実を主張しても、人の意見はなかなか変えられない。どうアプローチすれば伝わりやすいか。逆に、事実とは違うことで私たちが影響を受けることもあるので、それを防ぐためにも相手の手法を知識として知っておくといいのかな、とも思いました。私はとくに、ワクチン拒否の親への対応で、使える考え方かなと思いました。
『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』ルイス・ダートネル
もしも世界が急に破滅して、少数の人間だけが生き残り、でも物質はとりあえずそのまま残っている、という状態で、どうやって今の文明を再復興させるか、という思考実験です。『Dr. STONE』の元ネタとも言われています。医療に関する部分は、『JINー仁』を思い出しました。
『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』ルイス・ダートネル
『人に頼む技術』ハイディ・グラント
なぜ人は、誰かに何かを頼むとき、不安を感じ、気が進まないのか。自分が思っているより、人は助けてくれるということ。気持ちよく助けてもらうためにはどういうふうに頼めばいいか。ちょっと打算的な感じもしましたが、とてもすっきり読みやすい本でした。
まとめ
2020年6月に読んだ本は全部で12冊でした。今月は科学系ノンフィクション、とくに脳科学とか心理学的な本が多かったように思います。なぜかはよく分かりませんが。そういう気分だったのかな。
小説はほとんど読んでないですね。7月は、『三体』の続編に手を出そうか考え中です。
これからもいい本にたくさん出会えることを楽しみにしています。
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