高校生のとき、私は理系クラスでは少数派の世界史選択だったのですが、ひたすら暗記に走っただけで、楽しいと思ったことがありませんでした。
ですが、大人になってから、コテンラジオというポッドキャストを知って、世界史っておもしろい!と思い、参考書籍として紹介されているものを中心に世界史関係の本を読むようになりました。
これまでに読んできた本のなかでとくにおもしろかったものを、時代ごと、地域ごとに一覧にまとめています。(随時更新)今後それぞれの本について少しずつ記事にしていく予定です。
世界史概説
『新もういちど読む山川世界史』「世界の歴史」編集委員会 山川出版社
歴史の教科書といえば山川出版社。大人向けに書き直されたものですが、特筆すべきはコラムではないかなと思います。通読できる教科書です。
『詳説 世界史図録』山川出版社
世界史は、時間的・空間的に広い範囲を扱うので、それぞれの時代で、それぞれの国がどの範囲をカバーしていたのか、地図で確認しながら読んでいきたいです。こちらは、高校生の時の図録そのまま、という感じですが、オールカラーでこれだけの情報が美しくまとまっていて1000円以下、というのは相当お得だと思います。
『教養としての「世界史」の読み方』本村凌二 PHP研究所
本村さんの本はとても読みやすいです。世界規模の乾燥が文明を生み出した、という説を初めて読んだときには、そうか!と目を開かれる思いでした。
『世界史の10人』出口治明 文春文庫
出口治明さんが選ぶ世界史上の偉大な10人。個人的には、ムガル帝国を創設したバーブルという人をこの本で初めて知ることができただけでも収穫でした。バーブルは15世紀ごろに生きたインドのムガル帝国の創始者でありながら、自分の内面や政治についてとても率直に、しかも文学的に書いた自省録『バーブルナーマ』を残しています。
バーブルについては、山川出版社の『世界史リブレット・人 バーブル』がとても詳しくて面白かったです。
『砂糖の世界史』川北稔 岩波ジュニア文庫
岩波ジュニア文庫という子供向けの文庫ながら、砂糖という嗜好品を軸に、ヨーロッパの三角貿易、イギリスの覇権時代についてとてもわかりやすく書かれています。国ごとにそれぞれの歴史を読むのではなく、地球規模での世界史のダイナミックさがよくわかる一冊です。中学1年の息子にもおすすめしました。
『教養のグローバル・ヒストリー』北村厚 ミネルヴァ書房
この本も、西洋史、東洋史といった分類を飛び越えて、地域や文化をつなぐネットワークとしての世界史について書かれた本です。
中国
『中国文明の歴史』岡田英弘 講談社現代新書
秦の始皇帝の中国統一に始まり、日清戦争での敗北までの期間を「中国文明」とし、それをさらに、秦から隋、隋から元、元から清の3つの時代に分けて論じています。
『墨攻』酒見賢一 文春文庫
中国戦国時代の思想家・墨子は、「自己を愛するように他人を愛しなさい。そうすれば戦争なんて起きないんだよ」という「兼愛」「非攻」の精神を説きました。そんな墨子の思想に共感した人々が集まって墨家という集団を形成。墨家集団は、侵略戦争を最も憎み、侵略されている人たちのところへわざわざ出向いて、攻城戦を一緒に戦うようになります。戦いを重ねるうちに戦いの技術はどんどん向上。まさに戦国時代最高レベルの軍事技術者集団となりました。この本はそんな墨家を題材にしたフィクションですが、民衆とともにただひたすら城を守るプロの墨家がかっこよかったです。
モンゴル帝国
『世界史の誕生 モンゴルの発展と伝統』岡田英弘 ちくま文庫
モンゴルが主役ですが、世界史とは何か、を学ぶことができる、概説本のような一冊です。
『クビライの挑戦 モンゴルによる世界史の大転回』杉山正明 講談社学術文庫
モンゴルって高校の世界史ではサラッと通り過ぎた気がするけど、アジアとヨーロッパをつなぐ、とても大事な存在だったということを今更ながら知りました。
ローマ帝国
『教養としての「ローマ史」の読み方』本村凌二 PHP研究所
『興亡の世界史 地中海世界とローマ帝国』本村凌二 講談社学術文庫
ローマ史は本村さんの専門分野。「興亡の世界史」シリーズの中でもこの本はとても読みやすかったです。
『ローマ人の物語(全43巻)』塩野七生 新潮文庫
ローマといえば塩野七生さん。カエサル愛が溢れています。
オスマン帝国
『オスマン帝国 イスラム世界の「柔らかい専制」』鈴木 董 講談社現代新書
『オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史』小笠原弘幸 中公新書
中世・近世ヨーロッパ
宗教改革については以下の3冊がとても勉強になりました。おすすめです。
『マルティン・ルター ことばに生きた改革者』徳善義和 岩波新書
『プロテスタンティズム 宗教改革から現代政治まで』深井智朗 中公新書
『宗教改革の真実』永田諒一 講談社現代新書
フランス革命は、現代の私たちの生活にも大きな影響を与えました。小学生の時に読んだ「ベルサイユのばら」を思い出しながら読みました。
『物語フランス革命 バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで』安達正勝 中公新書
中公新書の「物語」シリーズは、バリバリの専門家の先生の熱量がバンバン伝わってきてとてもおもしろいです。
『フランス史10講』柴田三千雄 岩波新書
『ドイツ史10講』坂井栄八郎 岩波新書
ローマ帝国から神聖ローマ帝国、ドイツの流れがまだ良く分かってません。難しい・・・
『物語イギリスの歴史(上・下)』君塚直隆 中公新書
『世界史をつくった海賊』竹田いさみ ちくま新書
まさに漫画「ワンピース」の世界。エリザベス1世も海賊を利用していたという事実。
『世界史リブレット・人 エリザベス女王』青木道彦 山川出版社
まとめ
どの本も読みやすくておもしろいものばかりです。
神聖ローマ帝国からヨーロッパの国々の変遷が、まだピンときていないのと、ロシア関係はまだ手つかずなので、今後勉強したいところです。
ここでご紹介した本も全部はレビューできていないので、少しずつ書いていきたいです。これからも読んだ本を随時追加していく予定です。
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