Impact of COVID-19 pandemic on children and adolescents’ lifestyle behavior larger than expected
Mi Xiang et al.
Progress in Cardiovascular Diseases 63(2020) 531-532
doi:10.1016/j.pcad.2020.04.013
背景
COVID-19のパンデミックにより、世界中で多くの学校が休校になりました。休校の影響で、子供たちのライフスタイルが大きく変化しました。特に身体的活動(physical activity:PA)や座っての活動(sedentary behavior:SB)の時間に影響が出ていることが予想されます。
PAの減少とSBの延長は、筋肉量や有酸素運動の減少、体重増加、精神的問題、学力低下など、さまざまな身体的・精神的な健康アウトカムに悪影響を与えることが分かっています。
小児におけるPAやSBの実態を把握することは、教師や両親、教育機関が適切な介入を行う上で重要と考えられま
そこで本研究では、この危機的状況下での現状について調査を行いました。
方法
上海の5つの地域からランダムに選ばれた5つの学校に在籍する6歳から17歳の子供2427人を対象に、調査を行いました。調査は2020年1月3−21日(緊急事態対応前)、2020年3月13−23日(パンデミック中)の2回行われました。
PAはWHOが出しているGPAQで評価し、SBはスクリーンタイム(娯楽、インターネット、ゲーム、オンライン学習を含む)で評価しました。
結果
PAは週540分から週105分へ、435分短縮しており、パンデミックによって、身体的活動性が低い子供が21.3%から65.6%へ急増していました。
SBは週610分から週2340分へ、1730分延長しており、娯楽のためのスクリーンタイムが長時間(2時間以上)の子供が増えていました。
考察
COVID-19パンデミックにより、子供たちの身体的活動量減少とスクリーンタイム増加が明らかとなりました。このことは子供たちの将来に身体的・精神的にネガティブな影響を与える可能性があります。子供たちの健康のために、PAを伸ばす働きかけをする必要があると考えられました。
コメント
2回目の緊急事態宣言では、休校は行わない、という方針になっています。前回の経験から、休校政策に関しては、感染対策上のメリットよりも、子供たちの身体的・精神的健康に与えるデメリットの方が大きいのではないか、というデータが集まりつつあるようです。
感染対策はしっかり行った上で、子供たちの教育を受けたり、学校での活動を行う大事な機会を守れるよう支援していく必要があると思いました。
前回の緊急事態宣言のときの休校政策に関する論文
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