【レビュー】人工知能を理解し活用する『人工知能は人間を超えるか』

「人間の知能がプログラムで実現できないはずはない」

東京大学大学院准教授で人工知能研究の第一人者である松尾豊さんが書かれた人工知能入門本。

一般向けの入門本といっても、人工知能とは何か、という基礎的なところから、特徴表現学習について、今後の人工知能のあり方、など、かなり深いところまで書かれてあると思います。人工知能について知りたいときまず読んだ方が良いというのを何かで見たので読んでみたけど、確かにその通りです。とても読みやすい語り口ですが、中身はとても骨太です。

目次

3度目の人工知能ブーム

現在の人工知能ブームは3度目だそうです。

第1次ブーム(1956-60年代):推論・探索のためのシンプルなルールで人工知能を実現しようとした→トイ・プロブレムは解けても現実の問題は解けない
第2次ブーム(1980年代):知識を入れることで現実の問題を解く→知識を書ききるのは不可能
第3次ブーム(2012年):機械学習(何を特徴量とするかは人間が決める)、ディープラーニングなどの「特徴表現学習」

これまでのブームでは、人工知能に実力以上の期待が集まり、結果いろんな壁にぶち当たっては「なんだ人工知能なんてできないじゃないか」と言われて失望される、ということを繰り返してきました。今3度目の春の訪れにあたり、これまでの過ちを繰り返さないよう、みんなに人工知能について正しく知ってもらいたい、そしてその上で人工知能の、未来に賭けてほしい、と著者は言っています。

一言で人工知能といっても、その言葉の中にはいろいろな段階のものを含んでいます。

人工知能の4段階

レベル1:単純な制御プログラム
レベル2:古典的な人工知能
レベル3:機械学習を取り入れた人工知能
レベル4:ディープラーニングを取り入れた人工知能

ディープラーニングによる飛躍的な進歩

第3次AIブームのきっかけは、カナダのトロント大学が開発した新しい機械学習の方法「ディープラーニング(深層学習)」による飛躍的な進歩でした。
ディープラーニングは、データをもとにコンピュータが自ら特徴量(機械学習をする際のデータを表すために使われる変数)を作り出します。人間が特徴量を設定するのではなく、コンピュータが自ら高次の特徴量を獲得する、革命的な学習法です。

ディープラーニングが従来の機械学習と大きく異なる点は、1層ずつ階層ごとに学習していく点と、自己符号化器(オートエンコーダー)という情報圧縮器を用いること。だそうですが、これ以上はよく理解ができませんでした。。。

「自己符号化器をベースに特徴量を多段にしていけばよい」というのは以前から研究者たちが予測していた方向性だったそうですが、マシンパワーが不足していてこれまで実現できなかったのが、マシンの力が追いついてきて、その予想は正しかったことがわかった、ということのようです。

最後に松尾さんから読者へ向けたメッセージが印象的でした。

人工知能は人間を超えるのか。答えはイエスだ。「特徴表現学習」により、多くの分野で人間を超えるかもしれない。そうでなくても、限られた範囲では人間を超え、その範囲はますます広がっていくだろう。そして、これを生かすも殺すも、社会全体を構成するわれわれ自身の意思次第だ。
読者のみなさんには、それぞれの仕事や生活の中で、人工知能をどのように活かしていけばよいか、活かすことができるのか、ぜひ考えてみてほしい。人工知能によって、この社会がどうよくなるのか、どうすれば日本が輝きを取り戻すのか、考えてほしい。そして、人工知能の現状と可能性を正しく理解した上で、ぜひ人工知能を活用してほしい。それが本書で伝えたいメッセージである。

人工知能は人間を超えるか
人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書)

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松尾 豊
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