【おすすめ】小川洋子さんの小説おすすめの3冊

小川洋子さんの小説が好きでいろいろと読んできたので、その中からおすすめの3冊をご紹介したいと思います。

以前、新潮クレスト・ブックスの『ペンギンの憂鬱』をご紹介したときに、小川洋子さんの小説と雰囲気が似てるな、と思ったこともあり、もう一度これまでに読んだ本を思い出して選びました。

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小川さんの、エッセイや対談作品も好きなのですが、今回は小説しばりで。

一番有名なのは、『博士の愛した数式』かもしれません。映画化もされていますね。

なので、今回は『博士の愛した数式』以外の作品をピックアップしてみました。

目次

『猫を抱いて象と泳ぐ』

主人公の少年は、生まれつき上唇と下唇がくっついていて、手術で口が開くようにしたのですが、足のすねの皮膚を移植したために唇から産毛が生えています。そのこともあり、とても寡黙な性格です。

少年は、デパートの屋上で飼われていた象が、大きくなりすぎてエレベーターに乗れなくなり一生地上に下りれなくなったという話を聞いて、「大きくなる」ということに対し恐怖を感じています。

廃車になったバスで暮らす「マスター」にチェスを教わった少年は、テーブルの下にもぐって次の手を考えるスタイルで、めきめき上達していき、「リトル・アリョーヒン」と呼ばれるようになります。やがて少年は海底チェス倶楽部で、小さなからくり人形の中に隠れて、人形としてチェスを指すようになります。

小川洋子さんらしい静かでやさしい世界。

チェスの試合の描写も緊迫感があります。

読み終わった後もしばらく余韻に浸っていた本です。

『人質の朗読会』

南米のある村で、日本人7人と添乗員の乗ったマイクロバスが、反政府ゲリラに襲撃され、7人は人質となります。発生から100日が過ぎ、ついに政府の特殊部隊がアジトに強行突入。銃撃戦の末、犯人5人全員死亡、特殊部隊も2人が殉職。そして、突入時に犯人が仕掛けたダイナマイトが爆発し、人質8人全員が死亡するという悲惨な結果となってしまいます。

実は、この突入の前、政府と犯人との交渉中に、政府側が密かにアジト内に盗聴器を仕掛けており、そこには、人質たち8人がそれぞれの記憶に残っている話を順番に語る様子が残されていました。

朗読の合間、彼らは実によく笑っている。涙ぐむ場面があったとしても、それは絶望からではなく、生きている実感からにじみ出てくる涙であったことが、テープからはうかがえる。(中略)
今自分たちに必要なのはじっと考えることと、耳を澄ませることだ。しかも考えるのは、いつになったら解放されるのかという未来じゃない。自分の中にしまわれている過去、未来がどうあろうと決して損なわれない過去だ。

この短編集は、人質たちが順番に語ったそれぞれの物語で構成されています。

第一夜 杖
第二夜 やまびこビスケット
第三夜 B談話室
第四夜 冬眠中のヤマネ
第五夜 コンソメスープ名人
第六夜 槍投げの青年
第七夜 死んだおばあさん
第八夜 花束
第九夜 ハキリアリ

人質は8人なのに、なぜ9つのお話があるかというと、第九夜は、作戦本部でヘッドホンを耳に当てていた盗聴担当の男性が語る物語だからです。

どの短編も、余韻の残る美しい物語。誰の人生にも、語るべき何かはかならずある、ということを感じました。

それぞれが語った話のタイトルもいい。タイトルを見ただけで物語が思い出されます。

私はとくに、「冬眠中のヤマネ」が好きです。

ポール・オースターの『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』を思い出したのですが、それがまさに『人質の朗読会』のアイデアのもとになっていたみたいです。

『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』は、アメリカの作家ポール・オースターが、一般の人々から募集した実体験を放送したラジオ番組をもとに書かれた本で、こちらもおすすめです。

『ミーナの行進』

主人公の朋子は、岡山の自宅から芦屋にある叔父さんの洋館に1年間お世話になります。そこには1歳下のいとこミーナがいました。

体の弱いミーナとの思い出。コビトカバのポチ子。マッチ箱の箱。

空想たっぷりで、ちょっと切なさもある、少女たちの1年の思い出です。

苦楽園からの帰り道、ふと思い立って、芦屋で途中下車し、昔の屋敷の跡を見てきました。大好きだったあの洋館が、もうどこにも存在しないことを認めたくなくて、ずっと近寄らないようにしてきましたが、その日、阪急電車の窓に芦屋の町並みが見えてきた時、なぜか心が動いたのです。風景がどう変わろうと、思い出まで傷つくわけじゃないという自信のようなものが、私の中に育っていたのかもしれません。

ミーナの行進

今回再度読み返してみて、やっぱりこの本好きだなあと思いました。

好きすぎて、一時期かわいい箱のマッチを集めていたことがあります。。実際マッチは誕生日ケーキのろうそくに火をつける時くらいしか使いませんが。

そしてこのかわいい表紙は寺田順三さんです。なんと、カラーの挿絵もたくさん載っていて嬉しくなります。

電子書籍ではなく紙で読みたい本です。

まとめ

小川洋子さんの小説の、静かで、ちょっと不思議な世界観が好きです。

こうして見ると、表紙もどれも可愛いですね。

よろしければみなさんもぜひ読んでみてください。

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