Perinatal mental health and risk of child maltreatment: A systematic review and meta-analysis
Susan Ayers et al.
Child Abuse & Neglect 98(2019)104172
DOI: 10.1016/j.chiabu.2019.104172
Abstract
Background:親のメンタルヘルスの問題は、不適切養育のリスクファクターとして知られている。周産期(妊娠から1歳まで)は重要な期間だが、周産期メンタルヘルスの問題がリスク増加と関連しているかは明らかでない。
Objective:周産期メンタルヘルスと不適切養育のリスクについてエビデンスをレビューすること。
Methods:6のデータベースから同定された30の論文で報告された24の研究を用いて検討した。研究は7か国で行われており、USA(n=14)が多かった。サンプルサイズは48-14893であり、多くは母について調べていた(n=17)。研究は社会集団(n=17)またはハイリスク集団(n=7)で行われていた。
Results:多くの研究では両親の周産期メンタルヘルスの問題と不適切養育のリスクとの間に関連があった。父親について調べたものは少なく(n=6)、その全てで父親のメンタルヘルスと不適切養育のリスクの間に関連があった。17の研究でメタアナリシスを行い、周産期メンタルヘルスの問題は不適切養育を3.4倍増加させることがわかった(95% CI 2.29-4.03)。この関係はサンプルタイプによって変わり、ハイリスク群で不適切養育のリスクがより大きかった。また、この関係は精神疾患の種類や不適切養育の種類では変わらなかった。
Conclusions:周産期メンタルヘルスと不適切養育のリスクとの関係は、小児期の他の時期と同様に観察された。方法論の違いによって矛盾する結果は、結論が暫定的であること、個人的、家族や社会・文化的リスクファクターと合わせて考慮する必要があることを意味している。
Summary
周産期における親のメンタルヘルスが不適切養育と関連しているかを調べたものです。周産期メンタルヘルス不調は、産後の女性の死因のなかで一番多いものとなっています。お母さん本人にも、子供にも、とても影響が大きいため、産前から産後まで、継続的な支援が必要とされています。
このメタアナリシスでも、周産期メンタルヘルス不調は、不適切養育のリスクが約3倍高くなることを示されています。
注意点としては、父のメンタル評価がされている論文が少なかったことや、家族に精神・発達的リスクなど他のリスクファクターがあるとその相互作用についてはわからないことなどが挙げられています。
お母さんは産科に必ずかかるし、産後も保健師さんが産後うつのフォローをしてくれたりするので拾いやすいですが、父のメンタル不調や、それからくる母への暴力なども子供の養育に大きく影響しそうな気はします。母のメンタル不調ばかりが取り上げられることがないようにしないといけないなあと思いました。
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