【論文】日本におけるCOVID-19パンデミック中の麻疹・風疹

Measles and Rubella during COVID-19 Pandemic: Future Challenges in Japan
Kazuki Shimizu et al.
Int. J. Environ. Res. Public Health 2021,18,9
DOI:10.3390/ijerph18010009

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Abstract

COVID-19パンデミックは、必要不可欠な医療サービスに大きな影響を与えた。同時に、市民が個人の衛生状態やマスク着用などの予防策に対する意識を高める機会にもなった。このBrief reportは、日本における麻疹・風疹の疫学的動向を明らかにし、COVID-19パンデミック中およびパンデミック後のこれらの疾患の制御に関する今後の課題を探ることを目的としている。

日本では2015年に麻疹が撲滅されたが、その後徐々に麻疹の患者数が増加し、2019年には744人に達した。2010年代、日本は2回の大規模な風疹の流行を経験し、その大部分の患者が東京などの大都市で報告された。COVID-19パンデミック中、麻疹・風疹の感染は抑えられているように見えるが、小児の定期予防接種のギャップを埋めることはどの国においても困難だろう。さらに、成人に対する補助的な予防接種キャンペーンも中断されており、これを活性化させる必要がある。

今回のパンデミックは世界規模で大きな影響を与えたが、これを機にワクチンへの信頼を回復し、エビデンスに基づいた予防接種政策を実施し、国際協力を強化していくべきである。

コメント

COVID-19パンデミック中、社会的接触が減ったことにより、麻疹・風疹の発生数が減っている可能性がある。一方で、小児の予防接種実施率が下がっているという報告もあり、今後社会活動が再開された時に麻疹・風疹が再び増加することが懸念される。

臨床をやっている実感としては、あまり予防接種が減ったという感覚はなかったですが、小児科学会の2020年6月の報告では3歳以降に行う定期予防接種の実施率は下がっているとのこと。

新型コロナウイルス感染症流行時における小児への予防接種について

予防接種は本当に重要なので、みんなにスケジュール通り接種してもらえるようこれからも地道に働きかけていきたいです。

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