【論文】貧困家庭の子供たちとCOVID-19

Low-Income Children and Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in the US
Danielle G. Dooley et al.
JAMA Pediatrics Published online May 13, 2020
DOI: 10.1001/jamapediatrics.2020.2065

目次

Opinion

COVID-19パンデミックにより休校措置がとられ、とくに貧困家庭の子供たちへの学習機会や栄養、社会的発達への影響が心配されている。

アメリカでは5人に1人の子供が貧困だと言われている。アフリカンアメリカン、ヒスパニック、アメリカンインディアン/アラスカネイティブの子供たちでとくに多い。

子どもの貧困は、慢性疾患やメンタルヘルス不調とも関連しており、小児期だけでなく生涯にわたって続く。

学校期間の10%以上の長期欠席は読解力、留年、中退率などに影響する。長期欠席はすでに貧困家庭の子供たちにとくに影響を及ぼすことがわかっている。

COVID-19パンデミックに対し、大人への健康面、経済面での対処は注目されているが、子供にも負の影響が出ることが予想される。

女性、乳児、小児への特別栄養プログラムの検討や、家庭訪問やヘッドスタートプログラムなどエビデンスのある政策を導入すること、遠隔授業を可能にするデバイスの整備、メンタルヘルスへの対応が必要である。

子供たちにとってパンデミックから生き延びるだけでは十分ではない。今もこれからも、すくすく育つことことを助ける努力をすべきである。

Summary

COVID-19の流行により、長期間の休校が余儀なくされています。子供たちへの教育面、健康面(栄養、メンタルヘルス)での悪影響が懸念されます。それもとくに貧困家庭の子供たちへの影響が心配です。
この論文に書かれてある通り、子供たちにとってパンデミックから生き延びれば十分ということではなく、今後の成長も見越した上での対応が必要だと思います。

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