「思いやりと共感するこころ」
7年ほど前、まだ子供が小さい時に買った本。現在二人とも小学校高学年になり、自分のイライラするポイント、怒る内容が変わってきたと感じます。
子供の態度にイライラして怒鳴ってしまうこともあって、これではいかん、なんとかしなければ、と思っていたとき、この本を思い出して読み返してみました。
前に読んだときには、いいこと書いてある!実践しよう!と感銘を受けました。だからその後の何度かの断捨離でも手放すことなく手元に置いていたのですが、今回改めて読んでみて、親として何も変わっていないし、できてないことだらけで反省。
著者のハイム・G・ギノットは、イスラエルに生まれ、エルサレムの大学を卒業した後、教師として働いた後、アメリカで臨床心理学を学び博士号を取得しました。
本書の初版は1965年に出版され、世界中で読まれました。ギノット博士は1973年に51歳で亡くなりましたが、奥さんや仲間が修正を施した改訂新版(2003年刊行)を出版、本書はこの新版を底本としています。
共感と思いやりを持って子供たちと会話することの重要性を繰り返し説き、人を傷つけずに怒りを表現する方法など、親が子供たちにどう対応すればよいかが提示されています。
子どもの行動ではなく気持ちに反応しよう
子供は、強い感情に突き動かされているときには、だれの言葉も耳に入りません。忠告も慰めも建設的な批判も、受け取ることができないのです。
子供は、自分のなかで起こっていること、自分がその瞬間に感じていることを、わたしたちに理解してもらたがっています。しかも、自分の気持ちを全部説明しないで理解してもらいたがっています。
だから私たちは子供が感じていることを、子供のようすをよく見て、聴いて、理解しようとしなければいけません。
子供が怒りを爆発させたとき、それに反応して親も怒っても問題は解決せず、あとで後悔するようなことを言ってしまいます。
怒りの裏に隠されている感情に注意を向けて、共感と理解を持ってそれを受け入れてあげると、緊張が和らぎ、とげとげしさが消える、と著者は言っています。
しかし、どんなときも怒ってはいけないというわけではありません。怒るのが必要という場面もあります。逆に、そのようなときに怒ることができないと、子供たちに伝わるのは親の善良さではなく無関心です。
子供に関心があればこそ怒りを完全に避けることはできません。ただ、怒るときには次のことを意識するとよいそうです。
- 子どもに対処していると、時々怒りを感じると言う事実を受け入れる
- わたしたちには、罪の意識や恥を感じることなく、怒る権利がある
- わたしたちには、感じたことを表現する権利がある。ただし、怒りを表現するとき、子どもの人格や性格を攻撃してはならない
理解しよう。理解しているということを示そう。批判や非難ではない言葉で示そう。
「早く起きなさい」「早く準備して」「早くごはん食べて」
毎朝の光景です。が、子どもは「早く!」に抵抗します。それもよくわかっていることなのですが、毎日毎日同じことを言ってしまっています。
私も夕食を食べるのが遅い息子に、もう片付けたいから早く食べなさい、と毎日のように言ってしまいます。それに対する著者のアドバイス。
夕食は会話の時とすべきだろう。子供が何をどう食べるかについては、あまりうるさく言わないほうがいい。しつけを最小限にとどめ、会話に花を咲かせるのだ。
子どもの話にどんな返事をしてますか?
性的な話題にどう答えるか
今回読み返してみて、一番よかったのは、性教育について言及されていたことです。子供がまだ5歳くらいで読んだときにはピンとこなかったけど、今の私にとって重要なテーマです。
性教育は情報と価値の二つの部分からなっている。情報は学校や教会や家庭であたえられるが、価値を与えるのは家庭がいちばんだ。
子どもの話にどんな返事をしてますか?
子どもに性的な事項を教えるのにふさわしい年齢は、子供が質問するときだ。
親が開けっぴろげで、懐が深く、子どもの性的感情についての関心を分かち合ってくれる子どもたちは幸運である。
過度に早期に、医学的に話す必要はないが、せっかく興味を持って質問してきたときにごまかしたり怒ったりしてはいけない、ということです。
まとめ
子供も小学校高学年になって、自分の部屋で過ごす時間も増えてきました。私も自分の仕事や勉強をしていると、話しかけられても半分上の空で答えてしまうこともあって、あとで反省することも多いです。
また、イライラして怒鳴ってしまって、あとで後悔することもあります。
この本を読んで、
イライラするのは人として当たり前。
それをどう子供に伝えるかが大事。
ということを感じました。
ギノット博士の言葉自身がとても温かく、思いやりに満ちていて、押し付けがましさがないのがいいです。やっぱりこの本は手元において、これからもときどき読み返そう、と思いました。
思いやりのある話し方を学ぼう
子どもの言い分をよく聞き、認めよう
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